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55話 思いだしたのか!?

last update Date de publication: 2026-07-16 20:15:25

「アウレリア様って、本当に謎ね」

「……話をまったく違う方向に持っていくしな」

 私の呟きにライオネル殿下がため息を吐いて同意する。どうやら、まったく違う話をされていたらしい。フィリップ殿下がお説教してるかもと言っていたし、そうなっていたのかもしれない。

「何をお話してたんですか?」

 気になっていたので聞いてみる。

「……昔の話を少しな」

 詳しく話さないということは私には聞かせたくない話なのだろうか。濁すかのように話題を変えてくる。

「ひとりでここまで来たのか?」

「はい」

「迷わずに?」

「ええ、なんだか懐かしくて、見たことあるような場所を歩いていたらたどり着きました」

「思いだしたのか!?」

 腕を掴まれて、勢いよく叫ばれた言葉に私は目を瞬く。ライオネル殿下の表情は眉根が寄って真剣そのものだ。冗談とかいうのではないとひしひし感じる。

 なんのことだろう? 思いだしたって、王城のこと?
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